
この記事に掲載されている情報は、作成時点の市場動向・制度をもとにしています。最新情報は必ず自治体・専門機関にてご確認ください。
はじめに
全国で増え続ける「空き家」。総務省の調査では、全国の空き家率は約14%と過去最高を更新しています。
老朽化した家を前に、「修繕して使うべきか」「最小補修で売るか」「貸して収益化するか」で迷う方は少なくありません。
この記事では、空き家の修繕・売却・賃貸の3つの選択肢を投資採算の視点から比較し、豊橋・東三河エリアの事例も踏まえて解説します。
1. 空き家修繕の目的を明確にする
まず考えるべきは、「修繕の目的」です。
空き家の修繕には、次のような方向性があります。
| 修繕の目的 | 具体的内容 | 投資回収の見込み |
|---|---|---|
| 売却前の価値向上 | 外壁・屋根・水回りをリフォームし、買主に好印象を与える | 一時的だが高値売却の可能性 |
| 賃貸化(収益化) | 入居可能なレベルに改修し、家賃収入を得る | 中長期で安定収益を目指す |
| 維持・相続対策 | 崩壊防止や最低限の補修で維持 | 採算性よりもリスク回避目的 |
2. 修繕して「貸す」場合の採算モデル
たとえば、築35年の木造住宅を賃貸に出すケース。
- 修繕費用:250万円(外壁・水回り・畳交換など)
- 家賃:月7万円
- 年間家賃収入:84万円
- 固定資産税・保険等:年間15万円
- 実質年間収益:69万円
→ 修繕費回収期間:約3.6年
このように、一定の修繕を施せば比較的短期間で投資回収できる場合もあります。
特に豊橋・豊川エリアは単身世帯・転勤族の賃貸需要が安定しており、築古戸建でもニーズがある地域です。
3. 最小補修で「売る」場合の判断基準
メリット
- 修繕費をかけずに現金化できる
- 早期売却が可能
- リフォーム希望者や建て替え需要にも対応できる
デメリット
- 見た目の印象で売却価格が下がる
- 一般購入者よりも「業者買取」の対象になりやすい
- 成約価格が相場より1〜2割低くなるケースも
「どの程度直せば売れるのか」を見極めることが重要です。
→ 不動産売却の流れとポイント
4. 修繕と売却の「中間戦略」
最近注目されているのが、「最低限の修繕をしてから売り出す」方法です。
- 床や壁の傷補修
- 水回りの簡易クリーニング
- 雨漏りやシロアリの修繕のみ実施
これにより、“印象が良く・早く売れる”状態を作りつつ、費用を抑えることができます。
たとえば修繕費を30万円に抑えても、見た目改善により売却価格が+100万円上がるケースも珍しくありません。
5. 修繕と収益化の比較シミュレーション
| 項目 | 修繕+賃貸 | 最小補修+売却 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 約200〜300万円 | 約20〜50万円 |
| 収益までの期間 | 長期(家賃収入型) | 短期(売却益型) |
| 税金の扱い | 不動産所得税あり | 譲渡所得税あり |
| リスク | 空室・修繕継続費用 | 売却価格の変動 |
| 向いている人 | 長期的な資産保有をしたい人 | 現金化を優先したい人 |
6. 補助金・支援制度の活用
豊橋市や周辺自治体では、空き家活用の支援制度があります。
- 豊橋市 空き家バンク改修補助金
改修費用の1/2(上限30万円)まで補助
豊橋市 空き家バンク公式ページ - 国交省「住宅セーフティネット制度」
高齢者・子育て世帯向けに改修して登録する場合、国の支援あり
補助制度を組み合わせることで、初期費用を抑えて賃貸化が実現しやすくなります。
7. どちらを選ぶべきか?判断のポイント
- 立地と需要を確認
賃貸需要があるエリアなら「貸す」、人口減少地域なら「売る」方向が現実的。 - 建物状態と耐用年数
耐震・雨漏り・シロアリなど、修繕コストが膨らむ場合は売却優先。 - 資金計画と時間軸
早く現金化したいなら売却、長期資産運用なら賃貸。 - 税務上のメリットも考慮
売却時の譲渡所得控除、賃貸時の経費計上などを比較検討。
まとめ
空き家の活用には「修繕して貸す」も「最小補修で売る」も正解です。
違いは、目的と時間軸にあります。
- すぐに資金化したい → 最小補修で売却
- 中長期で収益を得たい → 修繕して賃貸化
- 状況に応じて補助金や制度を併用
どちらを選ぶにせよ、現地査定と市場調査をもとに、数字で比較することが成功の鍵です。
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