
豊橋市や豊川市で土地探しをしていると、「市街化調整区域だけど家が建てられます」という物件に出会うことがあります。
不動産会社の営業マンから「ここはキソンタクチ(既存宅地)だから大丈夫ですよ」と説明されたことがある方もいるかもしれません。
しかし、法律上「既存宅地」という制度はすでに廃止されていることをご存じでしょうか?現在は、それに代わる「愛知県開発審査会基準第17号」というルールで運用されています。
言葉は似ていますが、中身は厳格化されており、「昔は家が建っていたから大丈夫」と安易に判断するのは危険です。
今回は、東三河エリア(豊橋・豊川・新城)で家を建てるために必須の知識となる「基準第17号」の要件と、その土地が建築可能かどうかを調べる具体的な手順について解説します。
そもそも「基準第17号」とは何か?
市街化調整区域は原則として家を建てられないエリアですが、例外的に建築許可が出るケースがいくつかあります。その中で最も汎用性が高く、一般の方向けなのが「基準第17号」です。
かつては「既存宅地確認制度」というものがありましたが、平成13年に廃止されました。その救済措置として設けられたのが、この愛知県開発審査会基準第17号(通称:既存宅地における建築)です。
最大の特徴は「誰でも買える」こと
調整区域の土地の多くは、「農家の息子しか建てられない(分家住宅)」などの属人性が求められます。
しかし、この基準第17号の許可が得られる土地であれば、サラリーマンでも、他県からの移住者でも、誰でも土地を購入して家を建てることができます。そのため、調整区域の中では資産価値が高く維持される傾向にあります。
許可を得るための「3つの必須条件」
基準第17号で家を建てるためには、以下の3つの条件をすべて満たしている必要があります。1つでも欠ければ建築はできません。
1. 昭和45年11月24日以前から「宅地」であること
豊橋・豊川・新城エリア(一部除く)において、市街化区域と調整区域の線引きが行われたのが「昭和45年11月24日」です。
この時点で、すでにその土地に建物が建っていた、または宅地として利用されていたという実績が必要です。
2. おおむね50戸以上の建築物が連たんしていること
ここが非常に重要なポイントです。「昔から宅地だった」だけではダメで、その土地が「ある程度の集落の中」になければなりません。
具体的には、敷地から一定の距離内に50戸以上の家が立ち並んでいる必要があります。ポツンと一軒家のような場所では、いくら昔から家があっても第17号の許可は下りません。
3. 原則として「市街化区域」に近接していること
基準には「市街化区域に隣接・近接する集落」という要件があります。ただし、豊橋市や豊川市では、古くからの集落であれば市街化区域から離れていても認められるケース(指定集落など)があり、自治体ごとの運用確認が必要です。
自分でできる!「建築可能か」の確認ステップ
気になっている土地が基準第17号に該当するかどうか、ある程度まではご自身で調査することが可能です。
ステップ1:登記簿で「地目」と「日付」を見る
法務局で土地の全部事項証明書(登記簿謄本)を取得します。
- 表題部の「地目」が「宅地」になっているか?
- 「原因及びその日付」欄の日付が、昭和45年11月24日より前になっているか?
もし地目が「畑」や「山林」であっても、昭和45年以前に家が建っていたことが証明できれば認められる可能性があります。
ステップ2:閉鎖登記簿を確認する
現在の登記簿だけでは分からない場合、「閉鎖登記簿(へいさとうきぼ)」を取得します。これは過去の記録です。ここで昭和45年以前に「宅地」として登記されていた記録が出てくれば、有力な証拠になります。
ステップ3:古い航空写真で確認する
国土地理院のウェブサイト「地図・空中写真閲覧サービス」を使えば、過去の航空写真を無料で見ることができます。
昭和40年代の写真を探し、その土地に屋根(建物)が写っているかを確認してください。登記がなくても、写真で建物が存在したことを証明できれば、要件を満たす可能性があります。
豊橋・豊川・新城エリアの注意点
豊橋市の場合
豊橋市は、この基準第17号の適用において「連たん要件(50戸以上のつながり)」を厳密に審査します。集落の端にある土地の場合、50戸のカウントに入らないと判断され、許可が出ないことがあります。
豊川市・新城市の場合
合併前の旧町村によっては、線引きの日付が異なる地域や、独自の条例がある地域があります。また、土砂災害警戒区域(イエローゾーン・レッドゾーン)に入っていると、第17号の要件を満たしていても建築制限がかかる場合があるため、ハザードマップとの照合が必須です。
まとめ:最終判断はプロにお任せください
「基準第17号」は、安くて広い調整区域の土地でマイホームを叶えるための切り札です。
しかし、その調査は「古文書解読」のような側面があり、登記簿、航空写真、建築確認台帳などを総合的に読み解く必要があります。
- 売主が「家が建つ」と言っていても、実は要件不足だった
- 登記は宅地だが、連たん要件を満たしていなかった
こうしたトラブルを防ぐためにも、ご自身での調査はあくまで「予備調査」にとどめ、購入前の最終判断は必ず専門家にご依頼ください。
セントラルエステートでは、これら調整区域の調査実績が豊富にございます。「この土地、本当に大丈夫?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。
参照ソース・事実確認
本記事は以下の公的機関の情報に基づき作成されています。執筆時点(2026年2月)での情報です。
※個別の土地における建築の可否は、必ず役所での窓口相談を経て確定します。

