
「将来、家の値段が下がらない場所に家を建てたい」
そう考えたとき、駅からの距離や学区と同じくらい重要になってきているのが、行政が定めている「色のついたエリア」かどうか、という視点です。
豊橋市をはじめとする多くの自治体では、人口減少社会に備えて「立地適正化計画(りっちてきせいかけいかく)」を作成しています。
これは簡単に言えば、「これからの時代、街全体に住むのではなく、便利な場所に集まって住みましょう」というコンパクトシティ化の計画です。
この計画の中で設定されているのが「都市機能誘導区域」と「居住誘導区域」です。
今回は、この2つの区域の違いと、なぜこれらのエリアを選ぶことが将来の資産価値維持につながるのかについて解説します。
2つの区域の違いとは?
豊橋市の地図は、この計画によって大きく3つのエリアに色分けされています。
1. 都市機能誘導区域(一番重要なエリア)
街の中心核となる場所です。豊橋駅周辺や、二川駅周辺などの主要な拠点が該当します。
- 目的:医療、商業、行政などの生活に不可欠な施設を集めるエリア。
- 特徴:最も利便性が高く、行政も重点的に投資を行うため、資産価値が最も落ちにくい場所と言えます。
2. 居住誘導区域(住むことを推奨されるエリア)
都市機能誘導区域を取り囲むように設定された、広い範囲のエリアです。市電(路面電車)沿線や、主要なバス路線沿いなどが含まれます。
- 目的:人口密度を維持し、生活サービスが持続するように人を集めるエリア。
- 特徴:将来にわたって公共交通機関やインフラ整備が約束されている場所です。ここに住んでいれば、バスが廃線になったり、水道管の更新が遅れたりするリスクは低いと考えられます。
3. 区域外(白地エリア)
上記のどちらにも属さないエリアです。市街化調整区域や、市街化区域内でも駅から遠い不便な地域が該当します。
- リスク:将来的に人口が減ると、スーパーが撤退したり、バスの本数が減ったりして、生活利便性が低下する恐れがあります。それに伴い、地価の下落スピードも早くなる可能性があります。
なぜ「区域内」だと資産価値が維持されるのか
これから家を買うなら、原則として「居住誘導区域」の中に入っている土地を選ぶことを強くおすすめします。その理由は3つあります。
理由1:行政サービスの維持
豊橋市は、「居住誘導区域の中に住んでもらうための支援」を行っています。逆に言えば、区域外のインフラ維持コストは将来的に削減される可能性があります。長く住む家だからこそ、行政の守備範囲内で暮らすことが安心につながります。
理由2:住宅ローンや売却時の評価
金融機関や不動産鑑定の現場でも、立地適正化計画の区域内外を評価基準の一つとして見る動きが出てきています。「人が減って過疎化する場所」よりも「行政が人を集めようとしている場所」の方が、将来売りに出した時に買い手がつきやすいのは明白です。
理由3:補助金・税制優遇の存在
豊橋市では、居住誘導区域等の区域内に住宅を取得したり、リフォームしたりする場合に利用できる補助金制度を設けていることがあります。また、フラット35などの金利優遇においても、こうした区域内の物件が条件になるケースがあります。
豊橋市で狙い目のエリアはどこか
豊橋市の立地適正化計画を見ると、やはり「公共交通軸」が重視されていることがわかります。
鉄板の「市電沿線」
豊橋鉄道東田本線(市電)の沿線は、ほぼ全域が居住誘導区域、または都市機能誘導区域に含まれています。車が運転できなくなった高齢期を考えても、市電沿線の資産価値は盤石です。
豊橋南部・北部エリアの拠点
駅からは離れていても、南栄・高師方面(渥美線沿線)や、主要なバス路線が通るエリアは居住誘導区域に指定されています。
どうやって確認すればいい?
気になっている土地がどの区域に入っているかは、インターネットで簡単に調べることができます。
豊橋市地図情報(ちずみる豊橋)
豊橋市の公式サイトにある地図システムで、「立地適正化計画」のレイヤーを選択すると、地図が色分けされて表示されます。
土地の購入を検討する際は、不動産会社から渡される資料を見るだけでなく、必ず自分でこのマップを確認し、「境界線ギリギリで外れていないか」をチェックしてください。
まとめ:10年後、20年後を見据えた選択を
「広くて安いから」という理由だけで、居住誘導区域の外にある土地を買うことは、将来的な不便さや資産価値下落のリスクを背負うことになります。
もちろん、農業をするためや、静かな環境を求めてあえて郊外を選ぶという選択肢を否定するものではありません。
しかし、資産防衛の視点で考えるなら、「行政が街を残そうとしているエリア(区域内)」を選ぶのが正解です。
セントラルエステートでは、お客様が検討されている土地がどの区域に該当するか、将来的なリスクはどうかといった視点からもアドバイスを行っています。
参照ソース・事実確認
本記事は以下の公的機関の情報に基づき作成されています。執筆時点(2026年2月)での情報です。
※計画の内容は数年ごとに見直される場合があります。最新情報は必ず市の都市計画課等でご確認ください。

