この記事に掲載されている情報は、作成時点の制度・市場動向をもとにしています。最新情報は必ず各自治体や契約先にてご確認ください。


はじめに

飲食店やオフィス、店舗などの事業を始めるとき、多くの方が「商業用物件」を借ります。
しかし、住居用賃貸と違い、商業用物件には特有の契約条件やリスクがあります。

契約前に確認を怠ると、想定外の費用負担や事業運営に支障をきたす可能性も。
この記事では、借りる前に必ず確認すべき契約チェックリストを、わかりやすく整理しました。


チェック1:契約形態の違いを理解する

  • 普通借家契約
    住居用と同じく更新が基本。長期利用に向いている。
  • 定期借家契約
    契約期間終了で必ず退去。更新は原則不可。
    → 商業用はこの形式が多いため、契約年数を必ず確認すること。

チェック2:賃料と関連費用

  1. 賃料の支払い方法(月払い/年払い、前払いか後払いか)
  2. 共益費・管理費:住居よりも高めに設定される場合が多い
  3. 保証金・敷金:家賃の6〜12か月分が必要なケースも
  4. 礼金・権利金:返還されない費用。特に商業用では「権利金」が加わることがある

チェック3:使用目的と業種制限

  • 契約書に使用目的(飲食・物販・オフィスなど)が限定される場合あり
  • 同じ建物内のテナントと競合しないよう「業種制限」が設けられることも

例:

  • 飲食不可物件 → カフェは開けない
  • 美容室不可 → サロン運営はできない

チェック4:原状回復義務

退去時は「元の状態に戻す義務」があります。
商業用の場合は特に厳しく、スケルトン返し(全撤去)が条件になることも。

  • 内装工事の解体費が数百万円単位になるケースあり
  • 契約書に「原状回復の範囲」が明記されているか要確認

チェック5:契約更新と中途解約

  • 更新料があるかどうか
  • 中途解約が可能か、違約金はどうなるか
  • 定期借家契約なら「再契約」か「新規契約」になるのか

事業の計画と合わせて、退去リスクも想定しておきましょう。


チェック6:インフラと設備

  • 電気容量(飲食店は大容量が必要)
  • 給排水設備(カフェや美容室には必須)
  • 換気・ダクト設置の可否
  • 看板の設置可能範囲

設備不足は開業後に大きな出費につながります。必ず現地確認を。


チェック7:周辺環境と立地条件

  • 人通り・交通量・近隣店舗の相性
  • 駐車場の有無(顧客・従業員用)
  • 競合店舗の存在

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チェック8:火災保険・賠償責任保険

商業用物件では、火災保険や施設賠償責任保険の加入を求められることがあります。
顧客や第三者への事故対応も必要になるため、必ず保険条件を確認しましょう。


チェック9:契約時の書類確認

  • 賃貸借契約書
  • 管理規約・使用細則
  • 重要事項説明書
  • 建築基準法・用途地域の確認(飲食可能かなど)

よくある失敗例

  1. 保証金が高額で資金繰りに影響
  2. 内装解体費用が想定外に高かった
  3. 業種制限で計画していた事業ができなかった
  4. 定期借家契約で更新できず退去を迫られた

チェックリストまとめ(印刷用)

  • [ ] 契約形態(普通借家/定期借家)
  • [ ] 賃料・保証金・礼金・権利金の有無
  • [ ] 使用目的・業種制限
  • [ ] 原状回復の範囲(スケルトン返しの有無)
  • [ ] 契約期間・更新料・中途解約条件
  • [ ] 電気・水道・換気などインフラ条件
  • [ ] 看板設置の可否
  • [ ] 火災保険・賠償責任保険の加入条件
  • [ ] 必要書類(契約書・管理規約・用途地域の確認)

まとめ

商業用物件は住居用より契約条件が複雑で、知らないまま契約すると大きなリスクにつながります。
開業準備の段階で、今回のチェックリストを参考に一つひとつ確認していくことが重要です。

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