豊橋市や豊川市でマイホーム用の土地探しをしていると、相場よりも明らかに安くて広い土地を見かけることがあります。備考欄に「市街化調整区域」と書かれている物件です。

原則として家を建てることができないこのエリアですが、実は特定の条件を満たすことで建築が可能になるケースがあります。その代表的なものが「既存宅地(きそんたくち)」と「分家住宅(ぶんけじゅうたく)」です。

しかし、この2つは似ているようで全く性質が異なります。

  • 誰でも買える土地なのか?
  • 将来売却できる土地なのか?

この点を理解せずに購入すると、住宅ローンが組めなかったり、将来的に資産価値が大きく下がったりするリスクがあります。

今回は、市街化調整区域で家を建てるための要件と、2つの制度の違いについて詳しく解説します。


そもそも市街化調整区域とは

日本の土地は、都市計画法によって大きく2つの区域に分けられています。

  • 市街化区域:街を活性化させるエリア。誰でも自由に家を建てられる。
  • 市街化調整区域:農地や自然を守るエリア。原則として建築不可。

豊橋や豊川は農業が盛んな地域であるため、少し郊外に行くとこの市街化調整区域が広がっています。建築制限があるため、土地の価格は市街化区域の半値近くになることも珍しくありません。

この「原則不可」のエリアで家を建てるには、愛知県の開発審査会基準に基づく許可を得る必要があります。

誰でも建築可能な「既存宅地(基準第17号)」

不動産情報サイトで「調整区域ですが建築可」「どなたでも建築可能」と紹介されている土地の多くは、愛知県開発審査会基準第17号(通称:既存宅地)に該当する土地です。

かつて存在した「既存宅地確認制度」は平成13年に廃止されましたが、現在は基準第17号として、同様の運用がなされています。

最大のメリット:属人性がない

この基準の最大の特徴は、土地を買う人(建築主)の資格を問わないことです。農家でなくても、豊橋・豊川に縁がない方でも、土地を購入して家を建てることができます。

許可の要件

誰でも建てられる反面、土地自体に対する要件は厳格です。

  • 昭和45年(1970年)11月24日以前から宅地であること
    豊橋・豊川エリアで市街化調整区域の線引きが行われたのがこの日です。これ以前から建物が建っていた、あるいは宅地として利用されていた実績が必要です。
  • 現在まで継続して宅地であること
    途中で長期間、更地や畑に戻っていたりすると認められない場合があります。
  • 50戸以上の集落にあること
    孤立したポツンと一軒家のような場所ではなく、ある程度家が建ち並んでいる地域(連たん要件)である必要があります。

この要件を満たしている土地であれば、一般的な土地と同じように売買され、資産価値も維持されやすい傾向にあります。

親族のみ建築可能な「分家住宅(基準第1)」

一方で、よくあるトラブルの原因となるのが「分家住宅」です。これは愛知県開発審査会基準第1号に該当します。

「実家の畑があるから、そこに家を建てたい」という相談の多くがこれに当たりますが、こちらは誰でも建てられるわけではありません。

最大の特徴:属人性がある

分家住宅は、農家や地元住民の子供が、実家の近くに住むための特例措置です。そのため、許可は「その人(申請者)」に対して出されます。

許可の要件

  • 申請者の資格
    市街化調整区域に住んでいる本家(親など)の子供や孫であること。
  • 本家の居住歴
    本家が昭和45年11月24日以前からその地域に住んでいること。
  • 土地の要件
    原則として、本家が長期間所有している土地であること。最近買った土地では許可が下りないケースがほとんどです。
  • 建築の必要性
    「結婚して独立する」「今の家が手狭になった」などの正当な理由が必要です。独身で実家を出る理由がない場合や、すでに持ち家がある場合は許可されません。

注意点:売却が難しい

分家住宅として建てた家は、原則として第三者に売却したり貸したりすることができません。もし将来売却することになった場合、用途変更の手続きが必要になりますが、買い手が同じような資格を持っている人(分家要件を満たす人)に限られるケースもあり、一般市場での売却は非常に困難です。

豊橋市と豊川市での手続きの違い

基本的には愛知県の基準に準じますが、申請窓口やローカルルールに違いがあります。

豊橋市の場合

窓口は建築指導課です。豊橋市では、線引き前宅地の要件確認において、閉鎖登記簿謄本や古い航空写真の提出を求められることが一般的です。また、下水道が整備されていない地域も多いため、合併処理浄化槽の設置が必須となるケースが大半です。

豊川市の場合

窓口は建築課です。豊川市は平成の合併(一宮、音羽、御津、小坂井)を経ているため、旧町村ごとに微妙に規制が異なる場合があります。特に旧音羽町や旧御津町の山間部では、土砂災害警戒区域と重なるケースもあり、その場合は建築許可とは別に安全性の証明が必要になります。

まとめ:土地購入前の事前調査が命

市街化調整区域の土地は、要件さえクリアできれば、広くて静かな環境を安く手に入れることができる賢い選択肢です。

しかし、「既存宅地」だと思って購入したら、実は要件を満たしておらず家が建てられなかった、という失敗談もゼロではありません。特に、長年更地だった場所や、駐車場として使われていた場所は注意が必要です。

セントラルエステートでは、豊橋・豊川エリアの市街化調整区域に関する調査・申請の実績が豊富にあります。

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このようなご相談がありましたら、セントラルエステートにお問い合わせください。
役所調査から許可申請まで、確実にサポートいたします。


参照ソース・事実確認

本記事は以下の公的機関の情報に基づき作成されています。執筆時点(2026年2月)での情報です。

※市街化調整区域の建築許可は、個別の土地条件によって判断が分かれます。必ず購入・建築前に専門家による調査を行ってください。

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