
不動産を購入してから半年ほど経ったある日、県税事務所から突然の封筒が届きます。
中身は「不動産取得税」の納税通知書。
「えっ、契約の時に税金は払ったはずじゃ…?」
そう驚かれる方も多いのですが、実は登記費用(登録免許税)とは別に、県に納めるこの税金が後からやってくるのです。
この税額を見て、「あれ? 3,000万円で買ったのに、課税標準額が2,000万円くらいになってる?」と不思議に思うことがあります。
実は、この金額の「ズレ(乖離)」こそが、不動産にかかる税金の面白いところであり、節税の鍵を握るポイントなのです。
「買った金額」と「税金の基準」は違う
不動産には「一物四価(いちぶつよんか)」といって、4つの異なる価格が存在します。
今回重要なのは、以下の2つです。
- 実勢価格(じっせいかかく)
実際に売り買いされた金額(時価)。スーパーで売られている野菜の値段のようなもので、需要と供給で毎日変動します。 - 固定資産税評価額(こていしさんぜいひょうかがく)
市町村が「この土地にはこれくらいの価値がある」と定めた公的な価格。税金を計算するためだけに使われる数字です。
一般的に、固定資産税評価額は、実勢価格(時価)の「約70%」を目安に設定されています。
つまり、あなたが3,000万円で土地を買ったとしても、税金の計算上は「この土地は2,100万円の価値」として扱ってくれるのです。
この30%の「乖離(おまけ)」があるおかげで、現金のまま3,000万円持っているよりも、不動産に変えた方が相続税などが安くなると言われる理由の一つになっています。
不動産取得税の計算式
では、具体的にいくらかかるのでしょうか。基本的な計算式は以下の通りです。
(固定資産税評価額 × 1/2) × 税率3%
※土地と住宅用家屋の場合
ここで注目すべきは、評価額がさらに「2分の1」に軽減されるという特例措置です(宅地の場合)。
例えば、実勢価格3,000万円(評価額2,100万円)の土地の場合、
2,100万円 × 0.5 × 3% = 31万5千円
これが本来の税額ですが、ここからさらに強力な「減税」があります。
「申告」をすれば0円になることも
マイホーム用の土地や建物であれば、さらにそこから一定額を差し引く(控除する)制度があります。
土地の場合、以下のいずれか多い方の金額が税額から引かれます。
- 45,000円
- (土地1㎡あたりの評価額 × 1/2) × (住宅の床面積 × 2 ※200㎡が限度) × 3%
計算式は複雑ですが、ざっくり言えば「一般的な広さの住宅用地であれば、この控除によって税金が0円になるケースが非常に多い」ということです。
ただし、ここで最大の注意点があります。
この軽減措置を受けるためには、県税事務所へ「申告書」を提出しなければならない場合があります。
自治体によっては自動的に計算して0円の通知(あるいは通知なし)にしてくれるところもありますが、基本的には「自分から申請しないと安くならない」と考えておいた方が安全です。
新築と中古で違う「評価額」の決まり方
中古住宅の場合
すでに固定資産税評価額が決まっているので、不動産会社に「評価証明書」を見せてもらえば、事前に正確な税額を計算できます。
新築住宅の場合
まだ評価額が存在しません。完成後に市の担当者が家屋調査に来て、初めて評価額が決定します。
目安としては、建築費(請負金額)の「約50%~60%」になることが多いです。
(例:2,000万円で建てた家なら、評価額は1,000万円~1,200万円程度)
まとめ:通知書が来ても慌てずに
豊橋市や豊川市などの地価が上昇しているエリアでは、3年に1度の「評価替え」のタイミングで評価額が上がり、想定より税金が高くなることもあります。
忘れた頃に通知書が届いても、すぐに支払わず、まずは「軽減措置(控除)が適用されているか」を確認してください。
もし適用されていない高額な請求だった場合は、すぐに県税事務所に問い合わせるか、セントラルエステートまでご相談ください。手続き一つで数十万円が戻ってくる可能性があります。
参照ソース・事実確認
本記事は以下の地方税法および愛知県の県税ルールに基づき作成されています。執筆時点(2026年2月)での情報です。
※軽減措置の適用には、床面積要件(50㎡以上240㎡以下など)や耐震基準などの条件があります。

